◇法人化のメリット
ビジネスを興すことができそうだったら、法人格を取得しましょう。しかし、一般的に「法人に成れば税金が安くなる!」と言われますが、これは本当でしょうか?答えは、すべてではありませんが、所得(売上−経費)が高い人は法人にした方が節税になります。
これは法人税の税率は一定ですが、所得税は所得が高くなるほど税率が高くなるからです。たとえば、事業所得が700万円の方が法人成りした場合のシュミレーションは以下のようになります。
(例)事業所得700万円・所得控除額120万円(扶養2人、社保等44万円)の場合
| 個人の場合 |
|
法人の場合 |
所得税 住民税 事業税
計 |
83万円 48万円 21万円
152万円 |
→ → 71万円の節税 |
法人税等 所得税 住民税
計 |
7万円 45万円 29万円
81万円 |
事業所得が700万円の場合、約70万円も節税になりましが、さらに所得が増えれば増えるほど節税効果は更に大きくなっていきます。
もちろん、税金面以外のメリットもたくさんあります。
- 社会的信用が増大する!
- 資本金が1,000万円未満だと2年間消費税が免税!
- 退職金や生命保険料が経費になる!
- いい人材が確保できる!
ですが、逆にデメリットも確認しておかなければいけません。
- 法人は交際費の経費処理に制限がある。
- 決算・申告が煩雑になり、自分で出来る人は少ない。
- 社会保険料負担が重い。
しかし、法人にすることは税金面だけでなく、社会的なメリットも沢山あることを覚えておきましょう。
◇会社の形態
|
株式会社 |
有限会社 |
合資会社 |
合名会社 |
| 最低資本金 |
1000万円 |
300万円 |
いくらでも可 |
いくらでも可 |
| 出資者の数 |
1名〜無制限 |
1名〜50名 |
2名〜無制限 |
2名〜無制限 |
| 出資者の呼称 |
株主 |
社員 |
無限・有限責任社員 |
社員 |
| 経営者の数 |
取締役3名以上
監査役1名以上 |
取締役1名以上
監査役は任意 |
無限責任社員が経営者 |
全員が経営者 |
| 役員の任期 |
取締役2年
監査役4年 |
定款で自由に定める |
無制限 |
無制限 |
| 最高決定機関 |
株主総会 |
社員総会 |
全社員の総意 |
全社員の総意 |
一般的には、資金のある方で信用があるように見せたい人は、有限会社か株式会社にします。対外的な信用が非常に重要な場合、また1千万円の資金が用意できれば株式会社でしょうか。
■ 有限会社のメリット
- 設立から最長2期間は消費税が免税である!(資本金が1,000万円未満の場合)
- 役員の任期を無期限にすることができるので、実際の変更が無い限り役員変更登記が不要
(株式会社の場合、同一人物が重任する場合でも変更登記が必要)
が挙げられます。そこで先ずは有限会社にしておいて、会社の力がついてきたら株式会社へ組織変更するという方法が一般的な考え方です。
■ 合名会社・合資会社のメリット
- 設立時に定款認証の手続きがいらない!
- 出資払込の手続きがいらない!(株式・有限は、銀行の証明書が必要)
- 資本金はいくらでもいい!
- 設立コストが安い!
などたくさんあります。合名会社はごく一部で見受けられるだけですが、合資会社というのは今静かなブームです。その理由はなんといっても、手軽に設立できるからです。それでいて、立派な法人ですので、株式会社と同様、法人としての権利や義務を有し、また税法上のメリットも享受できます。
■ 差やデメリット?
よく「無限責任だから会社が倒産したら個人資産を投げ打って責任を取らないといけない!」といわれますが、既存の実績のある、業績のいい会社以外、有限責任の株式会社でも有限会社でも借入をする際に個人保証をしなければ、借り入れできないのが現状です。「合資会社」では聞こえが悪い、ということを気にする人は別として、実力のある合資会社にしたいものです。
◇会社の形態
1.設立準備の会議を開き、下記の事項を決める。
■ 商号(会社名)
■ 資本金
■ 会社の目的(事業内容)
■ 設立予定日
■ 本店所在地
■ 決算日
■ 役員
2.類似商号と目的のチェック
近所に同じ商号があれば認められないので、法務局でチェックします。
事業目的もあいまいな場合は認められないので、事前にチェックの必要があります。
3.定款の作成と認証
定款とは会社の「憲法」です。会社の活動内容を表記します。
公証人役場で定款の認証を受けます。
4.資金払込手続き
銀行にて、資本金払込みをし、出資払込保管証明書を交付してもらいます。
5.登記の申請
登記所に提出する書類を作成し申請します。
社員全員の印鑑証明が必要です。
↓
会社設立!
次に気になるコスト(実費)は、次のようになります。
|
株式会社 |
有限会社 |
合資会社 |
| 公証人役場 |
定款印紙代 |
40,000 |
40,000 |
不要 |
| 定款認証代 |
50,000 |
50,000 |
| 謄本交付手数料 |
1,500 |
1,500 |
| 銀行 |
株式払込事務手数料 |
25,000 |
7,500 |
| 法務局 |
登録免許税 |
※150,000 |
※60,000 |
※60,000 |
| その他 |
登記簿謄本 |
3,000 |
3,000 |
3,000 |
| 印鑑証明 |
1,500 |
1,500 |
1,500 |
| 資格証明 |
500 |
500 |
500 |
| 合 計 |
271,500 |
164,000 |
65,000 |
※ 設立時の登録免許税は払込資本金の1000分の7です。その金額が株式会社なら15万円、有限会社なら7万円に満たない場合はそれぞれ15万円、7万円となります。なお合資会社は一律6万円です。
※別途、印鑑作成料がかかります。
◇会社設立届け
■ 会社の設立が完了したら、各機関への届出る。
| 届出先 |
届出書 |
期限 |
| 税務署 |
法人設立届出書 |
設立から2ヶ月以内 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 |
設立から1ヶ月以内 |
| 源泉所得税納期の特例承認に関する申請書 |
設立から1ヶ月以内 |
| 青色申告の承認申請書 |
設立から3ヶ月以内または
最初の事業年度末のうち早い日 |
| 減価償却資産の償却方法の届出書 |
決算期末から2ヶ月以内 |
| 棚卸資産の評価方法の届出書 |
決算期末から2ヶ月以内 |
| 都道府県税事務所 |
事業開始等申告書 |
各自治体により異なる
(設立から15日のところが多い) |
| 市町村役場 |
事業開始等申告書 |
各自治体により異なる
(設立から15日のところが多い) |
※ その他必要に応じて、社会保険事務所や労働基準監督署、公共職業安定所などの届出も必要となります。
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